2021年10月13日水曜日

妙 ある事故のニュース

2019年のある日、ぼんやりとネットをさまよっていていて、その事故のニュース記事を偶然見つけた。確か厚木市だったか、川の向こうにある高校へ自転車通学の途中で、女子高生が大型トラックに轢かれて亡くなった。

川にかかる橋をやや登った辺りで、向かいから歩いてくる通行人のリュックが自転車と接触し、バランスを崩して転倒したところをトラックに轢かれたと。

しかし記事によると、事故の日付は2015年の3月となっている。これが、ちょっとばかり私には腑に落ちない。私がそのニュースをテレビで見たのは2018年だった。しかもリアルタイムだ。

そんなやりきれない事故があったのかと、ネットでも報じられているであろうと記事をその時点で探した。しかしなかった。あちこちにニュースサイトを訪れたが、どこにもそんな記事はなかった。

妙に思いながらも、いつしか記憶から消えた。そして偶然、2019年になってその記事を見つけた。報じられている事柄はリアルタイムで見た報道と合致する。しかし時期が合わない。事故から三年も経った後に、私はテレビのリアルタイムニュースみたことになる。

テレビ局がどこだったかなどはもう覚えていない。しかし間違いなくリアルタイムだった。こんな事故が報じられれば、私の性格上強い印象が残る。しかし 2015年に何があったかなど、もう全然覚えていない。その年は私にとって大したことはなかったのだ。あれば必ず私の記憶に残っている。

このようなこともあるので、私にはこの事が胸のなかにずっと響いたままだ。僅か数秒で人の生き死にが変わる。どこかの誰かのちょっとしたことでタイミングが変わり、後の運命がずれる。それは当たり前だろうとは、なかなか思えないのだ。

橋は交通量が激しく以前から危険が指摘されていたようで、事故後には専用の歩道が設置され、現場には花が添えられている。機会があれば訪れて手を合わせてみたいと思いつつ、果たせないままだ。


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