2022年6月17日金曜日

粘着質--7

避けた方が賢明だとされる人間のタイプに、どんなことでも否定したがると言うのがある。簡単な世間話を振っても必ず「いや…」と返事を返す。とにかくどんな話でも必ず否定から始まる。

このタイプの人を心理学などではどう扱っているのだろうか。詳しいことは知らぬが、勿論私の身辺にも居る。どこにでも居る。珍しくもないが、普通なら相手にしないで済む。その辺のどうでも良い存在だ。厄介なのは、こちらが頭を下げねばならない取引先の担当者とかの場合だ。

確か、初めて会社勤めをしたときにそんな話があった。新入社員教育みたいなものだが、そのタイプを相手にせねばならない場合の対処法。つまりはおだてる。社内の人間ならともかく、社外ではそれしかないのだ。

多少は調べてみた。自尊心が強い。相手より自分が上だと思いたい。その癖自信がない。やっかみが強い--等々。

気持ち悪る…。速く言えばこれは粘着質そのものじゃないか。大体粘着質とはそう言うものだ。

いつの頃からか件の相手は彼の批判や当て擦りを自分のブログでネチャネチャと書き始めた。具体的に記事の個所があるので、一般論ではない。明らかに彼を指している。どころか、自分の展示に来た人の中であまり感心しない顔で帰った人が居たようで、その人のことをまあネチャネチャと書いている。

ちょっと異常か。私は思わず呟いた。多少のことは誰にでもある。しかしこれはちょっとしつこい。こんな相手なら彼でなくても気持ち悪いだろう。彼がブログを続ける限りどこまでも探し出してその記事にネチャ着く可能性がある。しかもこれと仲が良いらしきが一人居る。そっちは男だ。

彼にはいささか同情するがしかし、小説ネタとしてはちょっと面白いかも知れない。