2022年7月22日金曜日

粘着質--8

結局彼は全てのブログを一旦削除したらしい。

「良いのだ別に…」と彼は言う。どうやら彼は彼なりにむしろ良かったと思っている節がありそうだ。

「適当にアクセスがあったりね、フォローしてくれる人がそこそこあったりすると結構気兼ねがしてくるんだよな」

ブログは日々適当に更新する癖がつくらしい。アクセスが減ってくると焦るのだとか。そんなこと気にする必要はないとは思っているが、そこがどうにもそうは行かないそうだ。だから、あまりできの良くない絵を妥協して公開してしまったりがあると言う。後から見ればそれはかなりみっともない。本来の出来ではない。そんな反省が後を絶たないのだとか。

「自分で言うのもアレだがね、それなりに練習が捗ると短期間にかなり絵が変わってくるんだ。するとね、出来の悪い絵をぶら下げてブログは続けたくない。だから…」

適当な位置で一旦止めるのも悪くはないと彼は言う。私から眺めるともったいないような気もするが、彼の考えでは適当に別を起こしてレベル的に違う段階へ進むのもアリだと言う。

「そんな意味ではね、あの粘着婆さんには感謝しているんだ。こう言うこともないと新たな道に進まないからね」

どんなものなんだか、それは考え方次第だが、意外に彼は別の結論を見出したようだ。彼はきっぱり言い切った。

「ブログなんてね、結局は時間の無駄使いなんだ。するべきことは、本当は他にいくらでもあるんだ」