2021年12月23日木曜日

救急車

やっぱり多い。救急車のサイレン。日に二度のこともある。外で目撃して、家にいる時にサイレンが聞こえる。なんだろうと思う。

毎年こんなことはない。と思うのだが、今までは気にしなかっただけかも知れない。だから、毎年冬になるとこうだったのかも知れない。

でもやっぱりそうは思えない。なにか起きているのじゃないかと思う。世間でそれは言えない雰囲気になっている。いつもの冬と違った嫌な雰囲気。自分が乗せられるのもそう遠くはないかも。もっとも、自分はアレではなくて元々あまり体力のある方じゃない。

この頃居酒屋に居ることが多い。酒は控えた方が良いのだが、元々それ程は飲まない。でも、この頃ははしごをするようになった。何故かいつもの店が嫌になることがある。どうしてだろう。この頃は店は割と賑やかだ。そんなとき、店主があまり丁寧でなかったりする。それが棘になるのだろう。

ぼんやり考え事をしながら飲むが、どうも落ち着かない。そんなことから他を探すようになった。寒い中をトボトボと歩く。人通りもあまりない、そんな路地で見つけた。そこで、身内の誰それが接種で倒れたとかの話し声が聞こえてくる。

どうせなら、いっそ全部で終わってしまってもいいんだと、そんな気持ちになる。元々もう楽しいこともあまりない。精々ぼんやりと飲むのが楽しみだ。

よろよろとした歩きでどうにか自宅に帰りついて、ホッとした時に救急車のサイレンが遠鳴りに聞こえる。

ふと思う。そのうち段々近寄ってくるのだろうか。

2021年12月11日土曜日

アレの話をついに

スーパーで知り合いの主婦と遭遇。少しお喋り。身内の子供が、アレの後胸が痛くなって医者へ行ったと言う。

この種の話を身近で初めて聞いた。どの程度のものか知れない。しかし程度の問題ではないと思う。なにしろ、後戻りのできないことだと聞いている。 いつの間にこんな世の中になったのか。もともと子供にどれ程の理由があるのか。すこし立ち止まって考える余裕もないのか。人間はいったいどうしてしまったのだ。

もう受け止めるしかないと主婦は言う。子供は学校で、自分だけ別というわけにも行かぬ。もうあっはっはよ----主婦はそういう。

この人とは親しいから世間話もするのだ。周辺の人とはもう世間話もしない。だから、現実がどうなっているのか、まったくわからない。

どうもなければいいね。そう言って別れた。しかし、どうもないはずがないのだ。子供はこれから長く生きる。それがいったいどのようなダメージなのか、本当はだれも知らないのだろう。

いや、わかっているのかも知れない。きっとそうだ。しかしもうとぼけることになっているのだ。

明日はどうなっているのか、そんなことをぼんやりと考える。元々自分など、何があってももう大して生きる時間は残されていないが。

2021年12月8日水曜日

癌 7

急場に居なくなる。一大事が発生したときに何故か居ない。兄にはそういう不思議なところがあった。

予期せぬことだから計った訳ではないのだが、ついフラッと出かけて、その後に一大事が起きて、皆どこへ行ったと探すのだが、連絡が取れない。昔は現在と違って連絡手段がない。見当を付けて電話を入れたり駆けつけたりするのだが、どこにも居ない。商売をしていたから、手違いにで納品することもあった。直ぐに作り直さねばならないのだが、探す時間さえ惜しい。夜遅くになってようやくホッとしかかったときにフラッと帰ってくる。何度かそういうことがあった。そういう星だったのだ。父が亡くなったときも同じだった。休日なのにわざわざ出て行って、しかも会社へは行っていない。言ってもしょうがないが、隠れた奇妙な部分が兄には付きまとった。

自分を過大に見せたいところがあって、他人に奢ってまで自分のことを語る性格があった。それが借金にまで膨らんだことがあった。相手が聞いている限りお喋りは止まらない。そんな兄を見ていたせいか、私は逆の性格になった。自分を誇る奴が嫌いになったのだ。

一体、どんな価値観を持って生きていたのだろうか。価値観など大したものはなくて良いと私は思っているが、自分を自慢したがる人間がどんな価値観を持っているのだろうか。

ぼんやりと遠景にある自分たちの家らしき辺りを眺めながら思う。掴みどころがなく得体の知れないまま、住むとは予想もしなかったこの辺鄙な町で、兄は終わろうとしている。

2021年12月7日火曜日

サイレン

救急車のサイレンを何度も聞くようになった。先日は外で見かけたと思ったら、帰宅した後でもサイレンを聞いた。その後には遠鳴りでも二度聞こえた。

寒くなってきたし、いろいろと出やすいだろうとは思う。その意味では自分も注意はせねばならない。しかしもしかしたらアレかも知れないと思う。数が多いのだ。何とも言えないが、ちょっと嫌な気がする。

世の中はそのうちそっくり変わってしまうかも知れないと懸念している。今でさえ変だと思う。今のところ、少なくとも自分の周辺に異常はない。まだ居酒屋にも行ける。しかしいつまで自由かは知れない。一つ受け入れたらドンドン変わっていく。そういうものなのだ。

医療機関は、実際にはかなり怪しい部分を持ち合わせている。自分にもトラブルがあった。争うとなると平気で嘘を吐く。これはどこでもそうだ。しかし、組織全部で共通の嘘をやり始めると、どうにも抵抗のしようがない。

自分も最初はなにも気にしなかった。しかし今はかなり怪しいと思う。世の中は怪しい。