2021年9月30日木曜日

春雨バーガー 4

坂の途中まで来てふと立ち止まった。道の両側に古いとも新しいとも言えぬ面白みのない民家やアパートが並んでいる。どれも個性のないマッチ箱のような建物だ。物成りがありそうに見えない荒れた畑の間に、それらがあるところでは並びあるところではポツンと点在している。田舎情緒もなく近代的でもない、歩いているだけで退屈しそうな殺風景なこの町に何故越して来たいと思っただろうか。

空の雰囲気がいつもと違うなあ…薄曇りの空を眺めて、ちょっと違和感を持った。風景が墨っぽいと言うか粉混じりと言うか、なんとなくそんな気がするのだった。少し煙っているのかも知れない。でも、越してきたときの雰囲気はこんなではなかった気がする。

そんなことを思ってもしょうがないが、先程のことがあったせいか、きょうはちょっと変なのかも知れない。単にいつもとコンディションが違っているのだろう。そう思ってまた歩く。距離は大したことないが、駅に近いマーケットまで毎日買い物に歩くのは大変だ。今までは何とかしてきたが、そのうち自転車でも買おう、安物で良いのだが、値段はどれくらいするのだろうか、あれこれと考えつつ、周辺を背の高い雑草に囲まれた一角に辿り着いた。

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