照り焼きと言うがその雰囲気はなかった。煮詰めに近い。照り焼きを煮詰めたのだろうか。もったいない話だ。
味は----思ったほど悪くはない。ある程度の覚悟をしたので、我慢が効いたのだろう。味噌汁にはなにかやたらと入っている。芋キャベツ人参そのた諸々。味噌汁と言うより、子供の頃の友達のお母さんが作った味噌雑煮に似ていた。上手いも不味いもない。私はもっと具の少ないのが好みだ。味噌汁はとにかく具よりも汁が命なのだ。とはいえギョッとするようなものでもないので一応は何気もなく食べていた。
私は皮と血合いが食べられない。いつもそこで分けて食べてる。同じようにして食べた。
ひと口ふた口普通に食べてご飯を食らい味噌汁を飲み、モグモグさせながら次を取ろうと箸を持っていくと、血合いと白身の境目に何か挟まっている。一ミリに足りないくらいの太さのやや透明な感じのひも状だ。
春雨?
一瞬そう思った。こんなところにまで春雨…。私は血合いと白身の隙間を拡げて先端を箸でつまんで持ち上げてみた。するとそいつはアコーデオンのようににジグザグに血合いと白身の隙間に挟まっていた。
考える必要はなかった。それがなにか直ぐに判った。寄生虫だ。
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